つれづれなるままに

~春雨の備忘録~

GROM(JC92)のエアクリーナーを交換した話

どうも春雨です。
写真を撮っていた端末が文鎮化して、前回の更新からかなり時間が経ってしまいました。

一目惚れしてポチってしまったエアクリが届いたので取り付けとレビューをば。買ったのはMNNTHBX V3 MTAKE(INTAKE) For 2022+ Honda Gromってやつです。ポチってから4日で自宅まで届きました。商品169ドル+送料37ドル+関税(着払い)1,200円でだいたい3万くらいかかりました。円安の影響でかなり高くつきましたが欲しかったんだからしょうがない…。

mnnthbx.com

まず、注意点とざっくりとレビューを。
 注意点としては、ABS装着モデルはポン付けができません。フィルターを固定するブラケットがABSのユニットと干渉します。ABSユニットのブラケットを改造することで干渉は回避できるので、本記事ではここを詳しく書ければなと思います。改造にはサンダーや万力が必要になってくるので、これらの準備が難しい人はやめておいたほうが無難かもしれません。この時だけはABS未装着のタイモデルいいなぁと思いました。
 レビューとしては、やはり付けたときの見た目は個人的にこれが一番だと思います。キタコやキメラのキットと違って、よく見れば替わっている感が好きです。フィルタートップのグリーンも統一感があって悪くないです。ただ、純正の黄緑色とは微妙に色が違うのが残念ですね。走りのほうは、低速トルクを犠牲に高回転を得た感じです。純正だと7000rpm以降は音だけのもっさり感がありましたが、交換後は8500rpmくらいまでしっかり加速する印象です。

 

最初に開封の儀。
 ひと通り漏れなく入っておりました。輸入モノはこういう時に不足品があるとどうしようと思うと少し怖いですよね。左上から、エアフィルター、ブローバイ用フィルター、ボルト・ナット・ホースバンド、シリコンホース、ブラケット、センサー延長ハーネス、ブローバイホースです。番号振らなくても何となくわかります…よね?てか、取説がねぇ…。

 

一つ残念だったのが、ブラケットの塗装が一部剥がれていました。鉄むき出しで錆びそうなので要補修です。

 

ブローバイフィルターは、ブリーザーフィルターUP-121です。日本では軽く調べる限り廃盤になってそう…。どっかで見つけたらストックしておかねば。エアフィルターは海外製っぽいです。ストアでフィルター単品売りがあります。

 

ホースの概型は写真のとおり。シリコンホース&梱包の関係で歪みがあるため、寸法はおおよそです。ホース内径は出入口ともに37mm前後です。

 

ブラケットの差込口はホース、フィルター側ともに38.8mmです。

 

 

以下から、取り付け作業です。毎度のことですが、取付作業や加工などは全て自己責任です。今回はABS周りのユニットも触ります。下手に触って壊してしまうと誤作動などの原因となり命にも関わることですのでご注意ください。

まずは、左右のタンクカバーと右のサイドカバーを外します。タンクカバーは見えているボルト片側で3箇所と、肋骨みたいなフロントフォークが収まるところ(黒い樹脂部分)のクリップ(中央を押し込むタイプ)を片側で3箇所を外して下側から引っ張ってやれば外れます。

 

カバーを外せば純正エアクリが見えるので、エアクリを固定しているボルトを外します。右側は六角ボルトとプラスネジが1本ずつです。左側は六角ボルトが1本とプラスネジが3本です。

 

スロボのホースバンドも緩めます。ABSユニットのブラケットにもツメがあり、エアクリに差さっているので外しておきます。

 

ブローバイのホースと吸気温センサーのカプラーを抜き、ホース類が純正エアクリの引っかかりから外れていることを確認してから、純正エアクリを外していきます。まず、スロボに繋がっているホースから。ホースは柔らかいので結構引っ張っても千切れたりはしないので、ちゃんと手袋をして引っ張りましょう。自分は手袋をせずにやったら、勢いよく抜けて少し怪我しました(白目)。ホースがスロボから抜けたら、今度は、エアクリ全体をフロント方向へ引っ張り出します。この時に、ホースや配線を引っ掛けないように注意しましょう。写真のようにフロントフェンダーの辺りまで出せたら、左側から良い感じに抜き取りましょう。右側はABSのユニットがあるので出し難いです。

 

次は、ABSユニットのブラケットの加工です。購入したエアクリが海外製のため、ABSを考慮した設計になっていません。そのままABS搭載モデルにつけようとすると前述したように、フィルターとABSのそれぞれのブラケットが干渉します。なので、ABSユニットのブラケットを加工して上側にずらす必要があります。

 

車体からABSブラケットを外す前にABSユニットとブラケットのボルト2箇所(黄矢印)を緩めておきます。スーパー鬼トルクで締まっているのでブラケットを外した後だと緩められません。次に、ブラケットのボルト2箇所(赤矢印)を外します。この時に、ブレーキホースを止めているバンド(青矢印)も外す方が後々の作業がし易いです。

 

ビフォーアフター

外したブラケットを加工します。①折り曲げの変更と②ツメの切断です。①はバーナーなどで炙りつつ曲げましょう。常温でやると多分折れます。一度真っ平らにしてから内曲げするとやりやすいかと。曲げ位置としては先端から20mmですね。元々の長さと同じ長さを逆に曲げるイメージです。②は溶接ビードにサンダー等で切り込みを入れればもげます。

 

改造したブラケットをABSユニットとともに元の位置へと戻します。ABSユニットが入るようにブラケットを少し曲げてドッキングさせます。ABSユニットとドッキングしたブラケットをフレームに取り付けますが、内曲げに改造した側は元のボルトでは工具が入らないため、六角頭のボルトに変えて固定します。キャップボルトでも大丈夫ですが、極低頭の方が綺麗に収まります。もう一方は、10mmのカラーを挟みM6長さ40mmのボルトで固定します。ボルト本締め後にABSユニットができるだけ上側になるようにブラケットをぐいっと曲げてABSユニットの移動が完了です。

 

ここからようやく取り付けたかったエアクリの取り付けができます。
まずは、ブローバイのホースの交換から。先に外しておいたサイドカバーの辺りからエンジンから出たニップルにホースが繋がっているのが見えると思います。これがブローバイホースなので、クリップをラジペンで頑張って良い感じに外して純正ブローバイホースを摘出します。純正ホースは耐熱カバーがついているので、これを外して付属のホースへと移植します。一部接着剤で固定されているので、接着剤の無い所からマイナスドライバーを突っ込んでこじると取れるかと。

 

付属のホースをブローバイに差し込む前にワンポイント。ホースの内側に少しだけシリコンスプレーを塗っておくことで、ニップルに差しやすくなります。ニップルにホースをしっかり差し込んでクリップで止めればOKです。一応、作業がやり辛い所なのでタイラップで止めてもいいよってことでキットにはタイラップが付属されています。

 

プラグケーブルは上に、インマニと繋がっているホースは下

次に、スロボにホースを差し込みます。その他ホースや配線との取り回しは画像のような感じにしました。この時に付属のブラケットもあてがって干渉や位置の確認もしておきましょう。

 

ブラケットにブローバイフィルター、温度センサー、フィルターを取り付けます。謎のカラーはブローバイフィルターの段差解消のために使うようです。自分は、工具が入り難かったためブラケットを外した状態で取り付けましたが、ブラケット、取り付ける部品、ボルト・ナット類全てが動くせいで少し手間取りました。フィルターだけは、後で角度調整ができるように仮止めにしておいてください。

 

組み上げたブラケットと車体側から生えたブローバイホース、センサー延長ケーブル、シリコンホースと接続してブラケットを付属のボルトで固定して完成です。ここのボルトは念のため緩み止め剤を塗っておきました。個人的にブローバイホースは2cm前後短くても良いかなという印象でした。今回は作業時間も押してたのでそのままの長さでいきました。また内圧コントロールバルブ的なのを付けたときにでも調整しようと思います。

 

後は、各種ボルトの締め忘れ等が無いかを確認しつつカバーを戻します。ECUリセットも忘れずにしておきましょう。空気流入量が変わり、噴射する燃料の量が全く変わって今まで学習した燃料補正値ではダメダメだからです。

 

 100kmくらい乗った感想としては、かなり上まで回る自分好みの特性に変わりました。3-4000rpmでアクセルをラフに開けると少しもたつく感じになりましたが、8500くらいまでパワーのついてくる回り方になったので乗っていて楽しいですね。純正エアクリだと7000より上は音だけであまりパワーがついてこない感じがしたので。また、吸気音はかなり大きくなりました。良く言えばレーシーですが、悪く言うとうるさいです。長時間乗ってると耳が疲れますね。あと、上まで回すようになった分、ハンドルやステップの振動が少し気になるようになりました。ネガティブな部分を多く書いた気もしますが、車両の特性を変えてパワーモリモリにしたい人はオススメです。
 ざっくりまとめると、雨の日に乗らず高回転までブン回して乗りたいならオススメ。少々天気が悪くても乗るし長距離トコトコツーリングがしたいぜ!って人は純正エアクリ+αですね。

    純 正 → 交換後

見た目:★☆☆ → ★★★

吸気音:★☆☆ → ★★☆(小→大)

低回転:★★★ → ★☆☆

高回転:★☆☆ → ★★★

品 質:★★★ → ★★☆

 

ではでは。